飲食店の元店長が全く別の業種に就職するために鼓舞するブログ

飲食店の人間は他業種に就職しにくいので、、、

鬼滅のブームから見えた、ランク配本というダメダメな制度。

私は読書が好きなのですが、最近の出版社の不況の情報にふと感じることはあります。

 

大きい本屋に行くと、いつも人はいるイメージがあり、とても不況とは思えません。

 

ただ、町の小さな本屋さんに行くと、お客さんがいないイメージはあります。

 

何故このようなことになるんでしょうか。

 

最近は駅中に本屋が当たり前にある時代です。

 

でも町の小さな本屋さんより品数は少ないにも関わらず、駅中の本屋の方が圧倒的にお客さんは入っています。

 

隙間時間に購入ができるなど、人気作品ばかり取り上げているからというのもあるでしょう。

 

わざわざ小さな本屋に行く必要もないのも事実です。

 

今では携帯やパソコンでも本は読めますし、ネット通販でも本を購入できます。

 

町の小さな本屋の存在意義はどんどんと薄まっています。

 

酷な言い方ではありますが、時間の問題なのかもしれません。

 

ただ、ネットに負けるのも分かります。

 

僕の疑問なのは、何故大きな本屋に人は流れていくのでしょうか。

 

近所に小さな本屋があっても、ちょっと遠くだけど大きな本屋に行く人が大半だと思います。

 

何故なら「品揃え」が圧倒的に違うからです。

 

でも僕は思うのですが、本屋に行く理由に品揃えを求めるのはイマイチわかりません。

 

人気作ぐらいは小さな本屋でも抑えていると思いますし、そんなみんな本って好き?とも思います。

 

しかしながら品揃えが少ないイメージは町の小さな本屋にはあります。

 

でもこのイメージってどこから来ているのでしょうか?

 

僕はこのことを書くきっかけが2つありました。

 

1つは小学生の時にONE-PIECEを町の小さな本屋に買いに行った時です。

 

発売日の翌日に行きましたが購入できず。

 

取り寄せに1週間は掛かると言われました。(実際はもっとかかっていたかも。凄い絶望したのを記憶しています。)

 

で、結局大きな本屋に親と一緒に買いに行きました。

 

早く読みたいので。

 

「続きが知りたい」

 

本にはそれを産み出す力があります。

 

一度続きが読みたいとなればもう何も出来ません。

 

何か作業やっていても、考えることは次の展開のことばかり。

 

ましてや続きが知れると思っていたら、売っていませんときましたから当時は絶望しました。

 

ONE-PIECEの11巻を買いに行きました。

 

アニメをやり出している頃です。

 

今考えればなんでなかったんだろうと思います。

 

店長発注しろよとも思います。

 

後々色々調べたら、なるほどと思うようなことがわかりましたが、今は動機の方を。。。

 

2つ目、5月13日は「鬼滅の刃」の新作20巻の発売日です。

 

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疑問がとにかく沸きました。

 

Twitterで見るとコンビニ購入をした人がちらほら。

 

嫁が5店舗ぐらいはしごしてコンビニ回っていたのですが、私の住んでいる地域では入荷がないみたいです。

 

ここはまあ良いです。

 

本日の朝に大きな書店に2箇所いきました。

 

有隣堂くまざわ書店

 

今回の鬼滅の刃には通常版と特装版の2つが発売されます。

 

有隣堂には特装版は予約なしでも購入できるほど在庫がありました。

 

しかしくまざわ書店での特装版は予約の段階で品切れ。

 

これは何故でしょう?

 

かたや品切れで、かたや在庫を大量に抱えていた。

 

有隣堂では近隣の系列店舗が休業の関係で、営業している店舗に在庫を回していると聞きました。これは有隣堂の書店員さんから聞きました。

 

その理論はわかります。

 

でもくまざわ書店は予約で特装版が完売していて、通常版しか買えないのには理由が足りません。

 

現在このブログ記事書いている時間が18時30分ですが、他県の有隣堂ではまだまだ特装版が予約無しで購入できます。

 

中国地方だと宮脇書店も買えますね。

 

では、何故ここまで納品に差が生まれるのでしょうか。

 

かたや予約販売で品切れ。

 

かたや他の書店が品切れがでている中で販売継続中。

 

発注の問題ですか?なんですか??

 

と私は朝からずっと考え、あることを思い出しました。

 

「ランク配本」という制度のことをです。(ここから本題)

 

ランク配本、またの名をパターン配本と呼びます。

 

まずは書店に本が並ぶ流れを書きます。

 

出版社・・・> 取次・・・> 書店

 

の流れです。

 

取次ってなんじゃい。

 

出版取次 - Wikipedia

 

この取次が厄介です。

 

流通をコントロールするのも取次です。

 

「書店」ではなく「取次」です。

 

一般の人のイメージでは書店には店長がいて、この本が人気だから多めに発注しようや、地域の傾向を踏まえて発注するものだと思っていました。

 

さて取次はどのように発注するのでしょうか。

 

先ほど言葉に上がった、「ランク配本」です。

 

ランク配本は書店の売り規模や大きさ、返品率等々をデータで作成しS<A<B<C<D<E<Fとランク分けを行い、その規模に応じて本の納品数を決めます。Sが一番上のランクです。

 

「データで作成し、納品数を決めます」

 

例えば。4巻5冊、5巻5冊、6巻5冊、7巻で20冊売れました。

 

8巻で恐らく30冊以上の売り上げ見込みがありますが、納品は10冊。

 

え?ってな感じですよね。

 

今回の鬼滅ではっきりわかりました。

 

大手の有隣堂の在庫数とくまざわの在庫数の格の違いをです。

 

くまざわ書店からしたら、売れ逃しです。

 

僕的にはくまざわで買えなかった人はこう思うはずです。

 

「くまざわ品揃え悪いな」

 

たかだか一冊のマンガがないだけでこう思うはずです。

 

しかも有隣堂はたくさんある。

 

僕が小学生でONE-PIECEを買いに行って品切れで絶望したように、同じ気持ちの人は何人かはいたはずです。

 

幸い電子書籍がありますので、どん底まではいかないでしょう。

 

時代が幸いしております。

 

しかしこの格差は一体なんでしょうか。

 

恐らく近い将来、大手本屋が生き残るでしょう。

 

電子書籍がもっと力をつけてきたら、品揃えが悪い本屋は消え去ります。

 

実際今回の自粛で本を買いに行きたいけど、行けなかった人は多くいます。

 

その人たちは一定期間は電子書籍に流れます。

 

電子書籍はいつでもどこでも読めますし、何よりかさ張りません。

 

紙の本の価値がどんどん下がってくるでしょう。

 

そうなると、ますます本屋での格差が生まれてきます。

 

またネット通販の便利さに今回のコロナ騒動で気がついたこと人もいるでしょう。

 

恐らく習慣化した人もいるはずです。

 

ある程度の時間を待てる人は本屋になるべく行かないでネット通販に切り替わるでしょう。

 

そんな中、まだランク配本を続けますか?

 

書店は今回のコロナでダメージを受けました。

 

他の業種ももちろん受けましたが、習慣化を変えられた書店はもっと大ダメージでしょう。

 

町に本屋がなくなれば、一気に読書の文化は消え去ると僕は思っています。

 

大手書店だけが残ったとしても、生き残るのは無理だと思います。

 

大きな本屋も小さな本屋も残っていかないと、本を読む・買う機会が減り、興味ある人しか読まない存在になってきます。

 

今は繋がる文化ですから、読む人口が減っていけば、共通の趣味の人が消え、読むことを辞める人は必ず出てきます。

 

大きな書店としましては、周りの本屋が潰れれば良いと思っているでしょうが、気がつけば電子書籍に喰われそうになっています。

 

品揃えが電子書籍と同列になれば、気軽さが勝り大手書店はきっと滅ぶでしょう。

 

今回の鬼滅は、予約が圧倒的に多かったです。

 

転売ヤーの存在も大きかったと思います。

 

恐らく予約がなければ、町の本屋には特装版は出回っていないでしょう。

 

そして入荷待ち地獄。

 

転売ヤーが勝つ地獄。

 

ランク配本廃止により店長の負担が大きくなると思います。

 

しかし、そのお店を一番知っているのは店長です。

 

店長がこれは売れると思っても、売れる準備が作れないのでは、やる気に関わってきます。

 

面白い作品はデータでは表せません。

 

ランク配本の欠点は、データで表せなものがあることが分かっていないのです。

 

売れるであろう本が分からない。

 

例えば年に1回行われる本屋さん大賞。

 

これは書店員さんが今年1番面白い本を決めます。

 

これが結構当たり本が多いんですよね。

 

ノミネートされたものはほぼ面白い。

 

マンガ大賞も良いですね。

 

芥川賞直木賞は難しい本が多いので初心者にはおすすめできませんが、この本屋大賞は良いです。

 

書店員さんの勧める本て面白いんですよ。

 

僕も手書きのPOPでつい買っちゃったりします。

 

買うのも過去購入してきて当たりが多かったから買うんです。

 

でも書店員さんからすれば勧めても納品が遅ければ、勧める意味を見出せません。

 

どんどんと新たな本は世に出ます。

 

そうすると面白い本を勧める意味が見出せず、本を並べるという簡易的な存在になります。

 

もはや本屋の意味ってなんでしょうか。

 

電子書籍で良いじゃんってなります。

 

ランク配本は効率は良いですが、電子書籍が立ち向かってきている以上、必ず負けます。

 

電子書籍の方が圧倒的に効率は良いからです。

 

今回の鬼滅は電子書籍で発売日当日の0時に読めます。

 

本屋はもちろんしまっています。

 

品切れもありません。

 

読者にとって効率は最高です。

 

わざわざ本屋に行かなくても家で読めますから。

 

その効率が良いおばけコンテンツに立ち向かうには、ランク配本を即刻緩和するべきです。

 

進めべき道は、書店員と読者の距離を縮めることです。

 

書店員さんに売りたい本を売らせてくださいよ。

 

そしてら僕らは吟味して買いますし、読みます。

 

そしてSNSでしっかり拡散します。

 

力はあるのに売れない作家さんだって多くいます。

 

でもこのシステムのままでは売れないし、後々売れ逃しも必ず出てくる。

 

まずは本屋の格差を無くしましょうよ。

 

そして書店員さんを信じようよ。

 

今回は長々と申し訳ありません。

 

怒りがあったので、いつもの倍の量を書いてしまいました。

 

少しでも流れが変わればと思います。

 

いち読書ファンより。。。