緊張と緩和論 映画パラサイトを観て
映画「パラサイト〜半地下の家族〜」を観てきました。
あらすじ
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全員失業中。日の光も、電波も弱い“半地下住宅”で暮らす貧しいキム一家。大学受験に失敗し続けている長男ギウは、ある理由からエリート大学生の友達に家庭教師の仕事を紹介される。身分を偽り訪れた先は、IT企業を経営するパク社長一家が暮らす“高台の大豪邸”。思いもよらぬ高給の“就職先”を見つけたギウは、続けて美術家庭教師として妹ギジョンを紹介する。徐々に“パラサイト”していくキム一家。しかし、彼らが辿り着く先には、誰にも想像し得ない衝撃の光景が待ち構えていた―。 公式サイトから引用
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先々月から観たい観たいと思っていましたが予定が合わず、結局3月になってしまいました。
周りが面白いと言っていたのでハードルが上がったのか、感動まではいきませんでした。でも面白かったです。
前半と後半という表記が正しいかは分かりませんが、急に映画の空気がガラッと変わるんですよね。観ている途中に。なんかピリピリしてない?みたいな感覚です。
僕の中で面白い映画には「緊張と緩和」がしっかり出来ているという持論があります。
「緊張と緩和」は桂枝雀が提唱していたもので
生理上で最初に緊張があり、それが緩和されると笑いが生じる
笑い、とまではいかないですけど緊張するシーンの中でもほっとするような場面があると観ているお客さんは最後まで集中して観続けられると僕が勝手に思っています。
例えばフォード VS フェラーリのレースシーンは緊張感ありまくりなんですが、節目節目でクスッと笑えるような場面があるから30分以上の緊張感あるシーンを飽きずに見続けられたんですよね。
話が脱線してすみません。。。
パラサイトは緩和と緊張を二つに分けた作品です。もう極端なぐらい。
前半緩和 後半緊張
後半の緊張したシーンが続きますが途中ラブシーンが流る緩和もあります。
007シリーズも戦闘や潜入シーンが緊張でラブシーンが緩和なんですよね。
パラサイトの話に戻りますが、緩和のシーンが続いていて油断したらウオっと声を上げる人も多いのでは?と思います。
ホラーとかではないので悪しからず。。。。
以下はネタバレを含みながらの感想です。
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この映画を見終わったあとの感想は「何も残らなかった」です。
虚しさと言いますか報われないと言いますか
誰もハッピーになっていないからそのような感情が生まれてきます。
半地下から地上を目指した家族は、結局半地下に戻ってしまう。
希望があるのはギウが父親のためにまともな計画を立てたこと。
家族のための計画からどんどんと目先の欲求をとってしまい
最後は計画が破綻してしまう。
人を殺す覚悟まで持ったのギウ
失敗に終え妹も死に、父親とは生き別れ状態
そんな絶望の中でも「ちゃんと働いて金を貯める」という計画を練る。
韓国の階級社会って日本とは比べ物にならないほど酷いと思うんですよね。
最初は家族のためにギウは働くという計画を練った訳ですが欲に負けた訳ですから、また同じ過ちを犯すのかなと思うと、、、、
その時と違うのは
目標のない行き当たりばったりの計画と、しっかりとした目標があっての計画のパラサイト違い
しっかりとした目標があれば欲に負けずに計画を遂行するのでは?と僕は思います。
自身の目標が暴走の歯止め、となればいつしか必ず父親と再会できるのかな。。。
劇中では誰も報われなかったですが、唯一の希望が見れただけでもバッドエンドではないのかなと僕は思いました。
韓国の格差社会が本当に酷いならまともな計画を立ててもそれすら弾くので、バッドエンドと思う人もいるかと思います。最後のシーンはそれぐらい人によっては意見は変わると思われます。
なんか伏線も凄くて、このサイト見たらああ確かにと思うことがいっぱい。
https://pandafujin.com/movie-parasite-spoiler/
何回でも楽しめる作品です。
まだまだ上映している所があるので観るのをおすすめします。
僕個人的には邦画もこのような作品を創れるだろうと思うのですが、金とか周りの人がごちゃごちゃして創れないのかなと考え、少し諦めています。
漫画原作とか小説原作とか、俳優や女優の名前で作品を創るのは構わないのですが、たまにはオリジナルで創ってと思っちゃいます。難しいんでしょうがね。。。
早く日本の映画がアニメ以外も評価される時代を待っています。